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日々の暮らしの中で、心に残った小さな出来事やその日の私の思いを記憶に残したい・・・


by tmsay-612
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父の命日

今日、父が亡くなってから15年が経ちました。

父の命日_a0072737_001033.jpg

父は、15年前の春のはじめに、「胃がん」の再発が分かり、手術をすることも出来ずに余命半年とお医者様に言われて、築地のがんセンターを退院しました。それからその年の7月25日に亡くなるまで間、近所の掛かりつけの先生に、貧血の治療とペインコントロールを受けながら、母とふたりで湘南の実家で静かに静かに余生を過ごしました。

病院を退院してから亡くなるまでの4ヶ月の間、私は、週に1~2度、朝早くに、長男長女を小学校へ送り出すとすぐに、当時2歳だった二女を連れて、小田急線に乗って、両親の暮らす湘南の実家を訪ねました。
お昼前に実家に着くころ、父はいつも寝床から起きて玄関で私たちを迎えてくれました。そして、しばらく幼い二女とおしゃべりを楽しみ、ゆっくりと母の手料理のお昼ごはんをいただき・・・・午後は、母が二女と遊んでくれている間、私は父の身体をさすりながら取り留めのない話をして過ごしました。やがて、父がお昼寝を始めると、私は、眠たくなってぐずりだす二女を抱いて、家路に急ぐ・・亡くなる前の週まで、そんな日々が続きました。

生まれてから結婚するまでの二十何年もの「父の娘として暮らした日々」の思い出もたくさんあるのに、この最後の4ヶ月の間の、その中でもほんの何日間かの「父と過ごした濃密な時間」は、今でも、一番の思い出の日々で、ほんの些細なことまで心に残っています。
「命の限り」を知らされてからも、取り乱すことなく穏やかに落ち着いて日々を暮らしていた父の姿は、本当に不思議で尊く見えました。

大阪の田舎で育った父は、裁判官になる夢を持って法学部に進学しましたが、第二次世界大戦の開戦により、繰り上げ卒業を余儀なくされ、すぐに陸軍の軍人として終戦までの4年間激戦のビルマで過ごしました。
後世私たちに、「戦争の話」をすることはありませんでしたが、いつ死んでもいいような極限の状況の中で何年間も過ごし、たくさんの戦友の死を見取ったのに・・・なぜ自分だけが生きて戻れたのかは分からない・・・と話していました。
今思えば、戦争が終わり、無事に生還できた日々から亡くなるまでが、父にとってまさに「余生」だったのかもしれません。私の知っている父は、真摯で、穏やかで、ただひたすら日本の復興と高度成長を支え、そして私たち家族のために働き続ける日々でした。大学院に進学する夢も、裁判官になる夢も戦争によって絶たれましたが、戦後の平和の戻った時代に、自分は「生かされている」という思いを忘れずに過ごしていたような、そんな気がします。

父の葬儀のときに、はじめて何人かの父の戦友の方にお会いしました。
そのときにはじめて、父が、大卒で幹部候補生として入隊することも出来たのにそれを辞退て、一兵卒として入隊したことを教えてくださいました。極限の戦場でも、身分、立場、学歴に関係なく誰に対しても等しく「人」としての付き合いをしていた父の死を惜しみ 「素晴らしい方でしたね」と伝えてくださいました。
その後も、毎年父の命日には戦友の方々が、「 先に天国ではじめててくださいよ 」と父の好きだったお酒を送ってくださいました。その方々も皆さま、すでに亡くなり、今年は揃って天国で宴会を楽しんでいるかもしれないと思っています。

父が亡くなったころ私は、子どもたちを育てるのに夢中な時代で、暮らしに余裕がなく、思うような親孝行が出来なかったと今でも心残りです。でも先日、何かの折に、「 親に育ててもらったことへの感謝の気持ちは社会へお返しすればいい 」ということを聞いて・・・・なるほど・・・と思い・・・・すこし心が軽くなりました。

子どもたちも成長して、自分の時間を取り戻しつつある私は・・・そろそろ社会へのご恩返しの時です。
# by tmsay-612 | 2007-07-26 00:01 | 家族

読書

ブログを始めて、たくさんの出会いがあり、思いがけない楽しい経験をしましたが、いつも、気なっていることがありました。それは、PCの前に座ると時間が経つのを忘れてしまい、今までのように本を読む時間が少なくなったということ・・・・

子供の時から、読書が何よりの趣味だった父の影響で、いつも私も本を読んでいました。大学を卒業して就いた仕事も、いつも本を傍らに置いてする仕事でしたし、結婚して育児に忙しいときも、子どもたちと楽しい絵本を探しに、近くの図書館や本屋さんを歩くことは楽しみのひとつでした。
やがて、時間に余裕が出来てからも、ひとりでゆっくりと図書館や本屋さんを歩き、読みたい本をまとめて探してきて、それを自分の机の上に積んで、1冊ずつ読み進めることは、私の楽しい日常のひとこまでした。読み終わると、簡単な読書ノートに、読んだ感想をひとこと書き留めていました。

ブログを始めてから、いつのまにか私の机の真ん中にはPCが置かれて、少し時間が出来ると、PCを開いて・・・そしてついつい時間を忘れる、という暮らしになりました。

先月、お誕生日を迎えて・・・・自分の人生の2/3近くが過ぎ去ったことを実感したら、 「これからあとどのくらいの本が読めるのだろうか・・・・」 とふと思いました。そして、私が、女性として尊敬し憧れている従兄弟と、何年か前に食事をしたときに、 「 ドストエフスキーの『罪と罰』は一度は読んでみる小説だわ・・・」 といわれたことを思い出しました。
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学生時代に、必ずオススメの作品としてあがっていた一冊です。
高校時代、何度か読み始めてはいましたが、登場人物の名前の難しさになかなか読み勧めることが出来ず、いつも途中で止めていて、気になっていた本でした。

あのころから、数え切れないほどの月日が経って・・・先日から、再び読み始めています。
若いころに読み終え、人間の本性について考えて、自分の人生に何らかの影響を受けることも必要だったかもしれませが、この年齢になって読むこともきっと意味のあることと思います。

相変わらず、ロシア文学の登場人物の名前の難しさに四苦八苦していて、未だぐんぐん詠み進むところまではいきませんが・・・久しぶりに読書に浸っています。
# by tmsay-612 | 2007-07-20 20:47 |

みょうが

湘南の実家の庭は、花作りの趣味だった母の手により、いつも四季折々の花が綺麗に咲いていました。学校から帰り「ただいま~」と門のところでいうと、お天気の良い日は、決まって庭の方から「おかえりなさ~い」という母の声がして、庭仕事をしながら迎えてくれました。

母はほとんど草花を中心に育てていましたが、ひとつだけ食べられるものといったら、「みょうが」でした。夏になるとよく「今晩は冷奴だから、お庭に行ってみょうがの子を一つ二つ取って来て・・・」と言われました。
「 みょうがは美味しくないのになあ・・・・・」 と思いながら、物置の前の半日陰のところに植えてあったみょうがを摘みに行ったのを思い出します。

みょうがが美味しいと思うようになったのは、いつごろからだったのでしょう。

先日、NHK「きょうの料理」を見ていて、そんなことを思い出して、みょうがを漬けてみました。
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熱湯にさっとくぐらすと、薄茶色が淡い紅色に変わり・・・甘酢につけて5日目となった今日は、さらに綺麗な紅色に染まりました。味も馴染み、とても美味しくなりました。

薬味はもちろん、細かく刻んで温かなごはんに混ぜたり、炒め物にしたり・・・今日のように湿度の高い日には、甘酸っぱい香りが食欲をそそります。
# by tmsay-612 | 2007-06-19 23:35 | クッキング

梅雨はどこへ・・・

梅雨はどこへ・・・_a0072737_1094749.jpg
ベランダのバラが、3度目の開花です。3度目は咲かさないほうが、木のためには・・・と育て方の本に書いてありましたが、かわいい蕾を積んでしまうことは出来ませんでした。お花は小さくなりましたが、ステキな香りは、最初の時と同じくらい漂っています。朝、ベランダに面した寝室の窓を開けると、とてもいい香りが部屋に入ってきて・・・今日も一日頑張ろう~という気持ちになります。

昨年、同じマンションの方からいただいたアガバンサスも綺麗に咲き始めました。

梅雨はどこへ・・・_a0072737_10133577.jpg
観音竹も大きくなりすぎて、植木鉢いっぱいになってしまいましたので、一回り大きい鉢に植え替えてあげました。その時に2つ、株分けをしましたが、ちょっと根を傷つけてしまったようで・・・その後あまり元気がありません。
観音竹は、「幸福を呼ぶ観葉植物」ということですので、どうぞ・・・枯れてしまいませんように・・・
朝夕、心配で眺めています・・・・

東京の梅雨はいったいどこへ行ってしまったのでしょうか。
雨も降らず、過ごしやすいの助かりますが、水不足が心配な今日この頃です。
# by tmsay-612 | 2007-06-18 10:18 | 花々
「受胎告知」を見に・・・_a0072737_1743422.jpg

東京国立博物館で、3月20日から開催されている 「レオナルド・ダ・ヴィンチー天才の実像」 にやっと行って来ました。特別公開されている『受胎告知』を見たいとずっと思っていましたが、すごい混雑が報道されていて、少し落ち着いてからと思っていましたら、来週で公開が終わりということで慌てて行きました。

「受胎告知」を見に・・・_a0072737_186650.jpg「おめでとう 恵まれた方。主があなたと共におられる。」  (新共同訳聖書 日本聖書協会) 
天使ガブリエルがマリアに告げた、あのルカによる福音第1章の有名な文言が心の中に何度も何度も浮かびました。厳かで美しい絵でした。20代前半でこの絵を完成させたダ・ヴィンチは本当に天才です。マリア様の表情は、少し驚いているような緊張をしているような・・・私が、他の絵などで親しんでいる、笑みをたたえているマリア様の柔らかな表情とは少し違っているかな・・・と思いました。

「受胎告知」を見に・・・_a0072737_18212239.jpg
今日の東京は湿度の高い暑い一日でしたが、国立博物館に向かう上野の森の木陰は気持ちの良い風が通り抜けていました。遠足の小学生たちや、のんびりと散歩をする老人、画集を片手に展覧会を巡る若者たち・・・全ての人々が、入梅前の大切な晴天楽しんでいる様子でした。

今日は、朝からの家事をサボって・・・ちょっとひとりで「貴重な時間」を過ごしました。
# by tmsay-612 | 2007-06-08 18:59 | 雑感