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日々の暮らしの中で、心に残った小さな出来事やその日の私の思いを記憶に残したい・・・


by tmsay-612
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クリスマス・プレゼント

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ブログ・フレンドの雨漏りセンセイから思いがけず素敵なプレゼントが届きました。    藤沢たかしさんの本『63歳からのパリ大学留学』です。
この本のことを以前雨漏りセンセイがブログで紹介されました。それは、私の亡き父が大切に読んでいた本でしたので、とても懐かしく、そのことをコメントさせていただきました。

この本の著者、藤沢たかしさんは、亡き父の京都大学時代の友人です。藤沢さんはこの本を出版された時に、その記念として一冊を父に贈ってくださり、父はそれを、いくつかのお気に入りの書籍と一緒にいつも手元に置いて、大切に読んでいたのです。
先日ブログを拝見してそのことを思い出し、私も読んでみたくなって、実家で一人で暮らす母に探してくれるように頼みました。しかし、父の書棚からすぐには見つからないようで、少しがっかりしていました。
今回、私のブログの100回の記念に、簡単なクリスマスオーナメントをお送りしましたら、そのお返しにと、雨漏りセンセイがこの本をわざわざ探して送ってくださいました。

父は、大正7年生まれ、元気でいれば今年88歳になります。若い時代には、今の若者と同じ様に夢や希望がたくさんあった事と思います。しかし、戦争の嵐の中で青春時代を過ごし、それらは叶うことはなく、その困難な時代を生きることを受け止めて生きていました。
父は、昭和17年春に大学を卒業する予定が、第二次世界大戦の開戦により、三ヶ月早く卒業させられ、すぐに陸軍の兵隊として南方へ出征しました。それから、終戦により、奇跡的に帰還するまでの5年間について、後々私たち子どもに雄弁に語ることはありませんでしたが、その苦労については想像するに難しいことではありません。

やがて、一企業人として、70歳で仕事をリタイアするまで、日本の復興のために、そしてまた私たち家族のために、ただひたすら真摯に働き続ける日々でした。それでも、どんなに忙しい時でも、読書をする姿はありました。、特に、西洋史が好きで、いつも中央公論社の『 世界の歴史 全集 』を読んでいた父は、ヨーロッパの文化や歴史に憧れていたのでしょうと思います。

そんな中で、旧友の藤沢さんが、還暦を過ぎて、若い頃からの夢を果たし、パリ大学に留学されたことは、父にとってとても感動的なことだったのかもしれません。実家の父を訪ねると、いつも手元にこの本を置いていた姿を思い出しました。

父が亡くなって15年が過ぎますが、思いがけないプレゼントでこの本を手に取り、再び父のことを身近に感じることができて・・・ブログを通しての想像を超えた出会いに感謝をしています。
このお正月ののんびりとした時間に、ゆっくりとこの本を開いてみるつもりでいます。
by tmsay-612 | 2006-12-25 22:38 |